眠れない原因と対処法(睡眠に関する豆知識)

眠りが浅い、夜中に何度も目が覚める、寝付きが悪いなど、睡眠のお悩みがある方は、意外と多く約3~4割です。睡眠時間が極端に短くなると、だるさや感情が不安定になる、仕事のパフォーマンスが落ちることが懸念されます。

年齢を重ねる毎に、睡眠時間は短くなる傾向にありますが、睡眠の質を少しでも向上させ、生活の質を維持するために、生活習慣の見直しや対策が大切です。

目次

眠れない原因は?【具体的な原因例】

眠れない原因は多岐にわたりますが、一般的なものとしては以下のようなものがあげられます。

ストレス

日常生活の中での仕事やプライベートでのストレスや心配事が、睡眠を妨げることがあります。特に、寝る前に考え込んでしまうと、寝るタイミングを逃すことで、入眠が遅れたり、夜中に目が覚めて眠れなくなる中途覚醒を引き起こすことがあります。

環境(照明・騒音・室温・寝具など)

環境が睡眠を妨げる要因としては、明るすぎる照明、騒音、不適切な室温、寝具の質や枕の高さが合わないことも考えられます。

生活習慣(飲料・スマホ・パソコン・食事・運動など)

カフェインが含まれる飲料の飲み過ぎ、アルコールの摂取、入眠前のスマートフォンやパソコンの使用、不規則な食事生活や運動不足なども影響があります。

睡眠障害や病気など

睡眠時無呼吸症候群、不眠症、むずむず脚症候群(レストレスレッグス症候群)などの病気が原因で、眠りの質が下がっていることもあります。身体に痛みがあったり、鼻づまりや咳などの不快な症状がある場合、眠りが妨げられることもあります。

眠れない場合には、自分がどのような原因で眠れないのかを検討し、対策を立てることが大切です。

睡眠障害の可能性をチェックする方法

アテネ不眠尺度(AIS)による判定

アテネ不眠尺度(AIS)は、8つの質問項目により睡眠障害の可能性を判断します。
最も一般的に利用されている不眠症チェック法です。セルフチェックをしてみてください。

過去1ヶ月の間に、週3回以上経験したものを選びます。


【項目1】寝床についてから実際に寝る時間まで時間がかかりましたか?

0点…いつもより寝つきは良い
1点…いつもより少し時間がかかった
2点…いつもよりかなり時間がかかった
3点…いつもより非常に時間がかかった、あるいは全く眠れなかった


【項目2】夜間、睡眠の途中で目が覚めましたか?

0点…問題になるほどのことはなかった
1点…少し困ることがある
2点…かなり困っている
3点…深刻な状態、あるいは全く眠れなかった


【項目3】希望する起床時間より早く目覚めて、それ以降、眠れないことはありましたか?

0点…そのようなことはなかった
1点…少し早かった
2点…かなり早かった
3点…非常に早かった、あるいは全く眠れなかった


【項目4】夜の眠りや昼寝も合わせて、睡眠時間は足りていましたか?

0点…十分である
1点…少し足りない
2点…かなり足りない
3点…全く足りない、あるいは全く眠れなかった


【項目5】全体的な睡眠の質について、どう感じていますか?

0点…満足している
1点…少し不満である
2点…かなり不満である
3点…非常に不満である、あるいは全く眠れなかった


【項目6】日中の気分はいかがでしたか?

0点…いつもどおり
1点…少し滅入った
2点…かなり滅入った
3点…非常に滅入った


【項目7】日中の身体的および精神的な活動の状態は、いかがでしたか?

0点…いつもどおり
1点…少し低下した
2点…かなり低下した
3点…非常に低下した


【項目8】日中の眠気はありましたか?

0点…全くなかった
1点…少しあった
2点…かなりあった
3点…激しかった


合計点が6点を超えた場合、医療機関にかかる目安となります。
4~5点は、不眠症が疑われる状態です。

受診の目安の6点を超えず、不眠症が疑われる場合であっても、自分なりにつらい状況が続いているならば、早めに専門家に相談することをお勧めいたします。

眠れないときの対策

眠れないときの対策をご紹介します。

リラックスする

リラックスする方法には、深呼吸をする、ヨガやストレッチを行う、38~40℃の温めの湯で半身浴をする、マッサージを受ける、アルファー波の出る音楽や香りを活用するなどがあります。

就寝前の入浴は、寝る2~3時間前が最適です。寝る前に体温を0.5℃以上上げると睡眠の質が上がります。温めの湯の半身浴は、20~30分が目安ですが、熱めの湯を希望の場合は、5分程度に留めましょう。

※アルファ波は、心身ともにリラックスしたときに出る脳波です。

寝る前の習慣や環境を整える

寝る前にスマートフォンやパソコンの使用を控え、静かな時間を過ごすことで、睡眠の質を上げることができます。スクリーンのブルーライトは、目を疲れさせ、睡眠の質を下げる原因となります。

緩やかなストレッチや読書を行うこともお勧めです。また、寝室の環境を整えることで、眠りにつきやすくなることがあります。例えば、寝室を暗くして、外部の光や騒音を遮断することが重要です。また、快適な温度や湿度、適切な寝具(快適なマットレス、枕、シーツなど)を選ぶことも大切です。

食事や飲み物に気をつける

寝る前の食事は軽めに済ませ、コーヒーや緑茶などに含まれるカフェインを控えましょう。カフェインを含む飲み物は、できるだけ就寝の5~6時間前から控えるようにしましょう。また、炭水化物や砂糖の摂取量が多くなると睡眠の質が低下するため、注意してください。

早めに就寝する(時間に余裕を持たせる)

寝る前にテレビやスマートフォンを使うことは控え、早めに寝ることを心がけます。

睡眠のリズムを整える(規則正しい生活を送る)

規則正しい生活を送ることで、睡眠のリズムを整えることができます。毎日同じ時間に就寝し、起床し、体内時計を整えるようにします。

できるだけストレスを減らす

ストレスは眠りを妨げる可能性がありますので、ストレッチやヨガ、マッサージ、入浴、音楽を聴くことなど、ストレスを減らす方法を試してみるとよいでしょう。

適度な運動をする

適度な運動は、良質な眠りを促します。しかし、就寝前に激しい運動をすると、逆に睡眠の妨げになることがあるため、注意が必要です。運動は寝る3時間前までに行うとよいでしょう。運動により脳内の温度が上昇し、就寝前に脳の温度が運動をしなかった場合よりも下がり、より快適な睡眠が得られます。

これらの方法を試しても、なかなか眠りにつけない場合は、受診の目安です。ただし、精神の病気、持病による薬の副作用などが影響していることもあります。こういった避けられない原因があり、さらに生活に支障をきたしている場合は、すみやかに主治医へ相談するようにしましょう。

睡眠に関する豆知識

睡眠時間は何時間が良い?

睡眠時間は個人差があります。心身の疲れをとるには、一般的に少なくとも6時間は確保し、7~8時間程度が良いでしょう。寝だめについては、一時的に疲れや眠気を解消することになりますが、平日と休日の睡眠時間のずれが発生してしまいます。

体内時計の周期は、おおむね24時間周期(実際には24時間よりすこし長い周期)で、体温やホルモンなどの基本的な機能は24時間のリズムとなっています。体内リズムが乱れると体に影響が現れ、いわゆる時差ボケ状態が起こります。たとえば、昼間に頭がすっきりしない、寝つきが悪い、食欲がなくなる等です。

昼食後の眠気に、昼寝は必要?

眠気は、寝付いた時間からおよそ14時間後に起こりやすいです。

このタイミングで、短い睡眠=パワーナップを取り入れると、その後、集中力が高まり、活動的に過ごせるようになります。パワーナップの時間は、15分程度が理想です。またパワーナップの前に、カフェインが含まれる飲料を取ると更に効果的です。カフェインの覚醒作用は、飲用してから15分後くらいに現れます。

この他、パワーナップは、夜の睡眠の質を高める効果もあるため、多忙な方ほど必要かもしれませんね。

寝酒はなぜ悪い?

眠れないからという理由で寝酒をすると、寝付きはよくなると感じる方が多いですが、アルコールによる利尿作用で数時間後に目覚めたり、明け方に目覚めるなど、睡眠を妨げることがあります。

睡眠薬代わりにアルコールを飲用される方もいますが、決して勧められません。毎日飲む習慣がつくと、アルコールがないと不快な気分になったり、依存性になる可能性があるため、週1日以上の休肝日を作ることをお勧めします。

また、アルコールの利尿作用は脱水を起こす原因にもなります。夜中であっても目覚めたときの水分補給は大切です。

就寝前の煙草と睡眠の関係は?

就寝前の喫煙による睡眠への影響は、ニコチンの量に比例します。

喫煙者は、非喫煙者と比べて、寝付くまでの時間が長くなる、夜中に目が覚める、深い眠りの割合が減る傾向があり、結果として総睡眠時間が少なくなります。

煙草による覚醒作用は、睡眠の妨げになることは明白ですので、できるだけ控えるようにしましょう。

眠れないと太る?

眠れないと太りやすくなります。睡眠時間が短くなると、レプチンと言う食欲を抑えるホルモンの分泌が減り、グレリンと言う食欲を刺激するホルモンの分泌が増えます。

また睡眠が足りないと、インスリンと言う血糖値を下げるホルモンの分泌や働きが悪くなり、糖尿病のリスクが高まります。

その他、起きている時間が長くなると、空腹を感じやすくなり、口寂しさから食べる機会が増えるため、太りやすくなります。

ライフスタイルや自分の身体のリズムに合った生活を送ることで、質の良い睡眠を確保したいものです。

一般的に睡眠が十分にとれず、生活に支障を来す場合には、かかりつけ内科、睡眠を専門とする睡眠外来、心療内科や精神科で相談することをお勧めします。

この記事を書いた人

小田部 淳子

看護師として外科病棟勤務。その後保健師として銀行の健康管理センターにて産業保健、健康管理センターにて人間ドックおよび健診後の保健指導、その後出版社にて健診後の文書指導、特定保健指導、糖尿病重症化事業、電話およびWeb健康相談、電話相談運営、社内研修企画運営、健康関連原稿の業務を歴任。現在、特定保健指導および原稿の業務に携わっている。

【保有資格および研修終了】

  •  看護師
  •  保健師
  •  養護教諭二種免許
  •  一種衛生管理者
  •  産業保健指導者、ヘルスケアトレーナー
  •  ピンクリボンアドバイザー初期認定
  •  東京糖尿病療養指導士


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