日本人の7人に1人(約15%)が65歳までに、2人のうち1人が一生のうち一度は、がんになることが推計されており、がんは非常に身近な病気になってきております。
がんは、さまざまな要因によって発症していると考えられており、その中には生活習慣が関わるものも多く含まれています。
がんになるリスクを減らすために、がんと関わる生活習慣について知り、見直すことも大切です。
日本人のがんの要因
下図は、日本人のがんの中で、原因が生活習慣や感染であると思われる割合をまとめたものです。
男性では43.4%が、女性では25.3%が、喫煙や飲酒などの生活習慣や感染が原因でがんになったと考えられています。
図)日本人のがんの要因

出典:国立がん研究センター. 科学的根拠に基づくがん予防法
科学的根拠に基づくがん予防法(5+1)
日本人を対象としたこれまでの研究結果から、「たばこ」「お酒」「食生活」「身体活動」「体重」の5つの生活習慣に「感染」を加えた6つが、日本人のがんの発生に影響することが分かっております。
国立がん研究センターを中心とした研究班において、これらの要因に対する対策が「日本人のためのがん予防法(5+1)」としてまとめられています(下図)。
図)日本人のためのがん予防法(5+1)

出典:国立がん研究センター. 科学的根拠に基づくがん予防法
このうち、飲酒については、過去のコラム「適量の飲酒はからだにいい?」(https://www.behealth.jp/column-howto-alcohol/)にも記載しているように、世界的に「健康損失を最小限に抑えるアルコール摂取量はゼロである」という考え方が常識となっており、飲酒量は少なければ少ないほどがんになるリスクが低くなると言えます。
食生活に関して、減塩については1日あたり男性で7.5g未満・女性で6.5g未満(厚生労働省. 日本人の食事摂取基準2025年版)、野菜摂取については1日に350g以上(健康日本21)を目安にするとよいでしょう。
身体活動に関しては、毎日60分以上の身体活動に加え、息がはずみ汗をかく程度以上の運動を週60分以上行うこと(厚生労働省. 健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023)を目標にしましょう。
適性体重に関しては、やせすぎでも太りすぎでもがんのリスクが上がるため、男女ともBMIで21~25の範囲になるように体重を管理するのがよいとされています。
5つの生活習慣の実践とがんになるリスクの低下
生活習慣とがんの罹患に関する、40歳から69歳の男女140,420人を対象にした調査結果からは、5つの好ましい生活習慣(「禁煙」「節酒」「食生活」「身体活動」「適性体重の維持」)を実践した人は、何も実践しなかった、または1つのみ実践した人に比べて、男性で43%、女性で37%がんになるリスクが低かったと推計されました(下図)。
図)5つの生活習慣の実践とがんになるリスクの低下

出典:国立がん研究センター. 科学的根拠に基づくがん予防法
がんに関わる生活習慣を見直すことで、がんになるリスクを減らしていきましょう。
この記事を書いた人

今井 鉄平 氏
OHサポート株式会社 代表 産業医
2022年、日本産業衛生学会奨励賞受賞
【資格】
- 産業医
- 日本産業衛生学会専門医・指導医
- 医学博士
- 労働衛生コンサルタント
- 社会医学系指導医
- Master of Public Health (MPH)
- 経営管理修士(MBA)
【所属学会】
- 日本産業衛生学会(前産業衛生学雑誌編集委員)
- 日本疫学会
- International Commission on Occupational Health
- 日本内科学会 他


