アイシン軽金属株式会社 様
経年グラフと個別アドバイスシートで「自分ごと」化を促し、従業員の劇的な行動変容を引き出す

課題・背景
- ・従業員約1,300名の健康データを「紙カルテ」で管理しており、経年変化の把握や面談の準備に膨大な時間がかかっていた
- ・健康診断データや診断書のファイリングが重なり、担当スタッフの業務負荷が限界に達していた
- ・生活習慣改善のメッセージを送っても、リピーター層の行動変容に繋がらず、健康指導の手が届かない層へのアプローチに悩んでいた



紙カルテの限界、経年変化の確認にも膨大な工数
貴社の業務内容についてお聞かせください。
弊社は、自動車用部品や福祉生活・宇宙分野の開発・製造を行っております。
主に自動車のエンジン部品、電気自動車部品、ハイブリット車のバッテリーフレームなどの製造を手がけております。
また、自動車分野に留まらず福祉関連分野へも進出し、アルミ製品の領域を広げています。
健康管理システム「Be Health(ビーヘルス)」導入前の課題を教えてください。
以前は、従業員約1,200〜1,300名の健康管理を「紙のカルテ」ベースで行っていました。
一昔前の病院のように一人ひとりの管理番号ごとに紙のファイルを作り、毎年蓄積される健康診断結果や各種診断書をそこに重ねてファイリングしていたのです。
そのため、健康状態の「経年変化」を確認したいときには、過去のExcelファイルを毎年分すべて開いてデータを書き写さなければならず、準備だけでも膨大な手間がかかっていました。
診断書が重なってカルテ自体も非常に重くなり、担当者の業務負荷が「これ以上は限界だ」というレベルにまで達していたため、業務の効率化とペーパーレス化が急務となっていました。
既存システムとの連携不要、コスト、クラウドならではの利便性が決め手に
比較検討された中で、「Be Health」に決定いただいたポイントはどのような点でしょうか。
決め手となったポイントは主に2点あります。
1つ目は、既存の人事データと連携させるにあたり、システム改修を行う必要がなかった点です。
2つ目は、コストパフォーマンスの高さです。他社のオンプレミス型システムを検討した際には2,000万〜3,000万円といった非常に高額な見積もりが提示され、急な投資が難しい状況でした。その点、クラウドサービスである「Be Health」は予算内に収まる現実的な投資額だったことから、移行を決定しました。
準備工数の劇的削減とアプローチの質向上、休職者支援まで見据えた体制構築へ
実際に導入されてから、どのようにご活用いただいていますか。また、業務の変化についてもお聞かせください。
昨年度は、全従業員を対象として面談業務や健康管理にフル活用しています。
導入によって、「準備工数の劇的な削減」と「従業員へのアプローチの質の向上」、そして「スタッフ間の情報共有」の3つの面で大きな変化がありました。
まず工数面では、庶務業務工数は年間約1,006時間(▲1,006時間/年)、紙代は年間約6.1万円(▲61千円/年)削減されており、工数と予算の両面で大きな効果が出ています。
もともとは紙カルテでの管理だったため、カルテ棚から対象者のカルテを取り出す→サーバーに保存されている健康診断データフォルダを開く→各年ごとのフォルダから定期健康診断データのExcelファイルを開く→紙カルテに転記(これを転記する年ごとに繰り返す)→過去の保健指導結果の確認と精密検査受診の有無を別ファイルから探して確認→保健指導実施、という一連の作業にかかっていた工数が、システム導入によって削減されました。
また、外部の再検査結果や現場で起きた体調不良(熱中症など)の記録もすべて一元管理されており、氏名を入れるだけでパッと引き出せるようになりました。
面談の場でも、従業員と一緒にパソコン画面を見ながら対話できるようになりました。従業員が自分の健康状態を「経年グラフ」として視覚的に見るのは初めてであることも多く、「この年から急に体重が増えていますね」などと数字とグラフで可視化されるため、アドバイスへの納得感(食いつき)が非常に良くなり、本人の理解が深まっています。
さらに、複数名のスタッフがそれぞれシステムに入力しても、文字数制限のないフリーテキストで詳細な面談記録を管理できるため、誰が対応しても同じレベルで状況を把握し、過去の経緯を予想しながらきめ細かな対応ができる「強固な共有体制」が構築できています。
「Be Health」を活用した産業保健業務の、今後の展望についてお聞かせください。
これまでは限られたスタッフで対応していましたが、現在は担当スタッフが増え、対応すべき対象者も増えています。
誰がどのような面談やフォローを行ったかをシステム上で詳細に記録・追跡し、より組織的で質の高いフォローアップを行っていきたいと考えています。
また、今年度新たに実装された「休職者管理機能」や「休職者向けの面談記録機能」なども積極的に活用し、メンタルヘルス不調者や休職者の発生予防から復職支援に至るまでのプロセスを、システム上でより一貫して管理・サポートできる体制を作っていきたいと考えています。
「健康指導の手が届かない層」へ、個別データと健診2ヶ月前配付で行動変容を後押し
メタボ直前期・非メタボ介入アドバイスシートについて、導入のきっかけを教えてください。
25歳以上の従業員を対象とした血液検査を開始したものの、毎年同じように数値が悪い「リピーター層」の生活習慣がなかなか改善しないという課題がありました。
以前から口頭や一般的なメッセージで生活習慣の改善は促していたのですが、具体的なデータ(指導の根拠)に基づいて話さないと、本人の心にはなかなか響きません。
また、過去の古いデータでアプローチしても、本人が今の身体を意識するまでにタイムラグ(時間差)が生じてしまいます。
最も生活習慣を変えてほしい「健康指導の手が届かない層」にしっかりとメッセージを届け、本人が主体的に健康を意識するきっかけを作るために、このシートの導入を決めました。
メタボ直前期・非メタボ介入アドバイスシートについて、導入の決め手を教えてください。
決め手は、手元にある正しい健康診断データを最大限に活かし、従業員一人ひとりの結果に応じた「個別の具体的なアドバイス」を伝わりやすい形で作成してもらえる点です。
全員に一律のメッセージを送るのではなく、自分の数値に基づいた具体的な言葉が書かれているため、従業員が「自分事」として捉えやすい内容になっています。
もう一つは、配付するタイミングを「健康診断の2ヶ月前」に設定できる点です。
通常、健診結果や事後の指導シートは健診が終わってから配られますが、それだと「次の健診まであと1年もある」と流されてしまいがちです。
あえて健診前に配ることで、「2ヶ月後の健康診断に向けて、今から少し気をつけよう」という具体的な行動変容や動機付けに繋がると考えました。

従業員が自ら相談に来る変化、行動変容ステージの改善で予防にブレーキ
メタボ直前期・非メタボ介入アドバイスシートを導入後、対象者の変化は感じられますか?
社内で目に見える大きな変化が起きています。
まずシートが届いた際、対象者にだけ白い封筒が届くため、周囲で「何の封筒が届いたんだろう?」とちょっとした「ざわざわ」が起こりました。
そして封筒を開けた従業員が、自発的にシートを私たちのところへ持ってきて、「これって、もしかしてやばいんですか?」と自ら聞きにくるようになったのです。
シートに載っている3年分のデータを一緒に見ながら、「これに対して今からどう取り組むか」を、本人が主体となって相談し、具体的な改善策を一緒に考えられる関係性が作れました。
さらに、この取り組みをきっかけに、1年間でなんと30kgもの減量に成功した従業員も現れました。
あまりの劇的な数値変化に、健診機関から心配の電話がかかってくるほどでしたが、本人が意図して健康的に取り組んだ結果です。
この方のインタビューを写真付きで食堂にポップとして掲示し、「社内にも実際にこれだけ頑張って健康になった仲間がいる」とアピールしたところ、お互いに刺激し合う素晴らしい意識改革が生まれています。
メタボ直前期・非メタボ介入アドバイスシートによる介入前後での指標の変化があれば教えてください。
BMI25以上の該当者数は微増しているものの、生活習慣病の予防という観点では確実な「ブレーキ(予防効果)」がかかっていると分析しています。
特に顕著な変化が現れたのは、「行動変容ステージ」の指標です。
自分の中で生活習慣を変えようと思っている「実行期」や、すでに習慣を変えて頑張っている「維持期」に位置する従業員の割合が大きく増加しました。
急激に身体の数値が変わるわけではありませんが、このアドバイスシートをはじめとする様々なアプローチが組み合わさることで、従業員の「健康に対する主体的な行動」を力強く引き出せています。
メタボ該当者についても増加を横ばいに抑えられており、今後はさらにアプローチが弱い層に注力することで、さらなる特定保健指導人数の減少やメタボ率の抑制に繋げていけると考えています。







